はい、どんどん更新の間隔が開いていくやる気の無いブログですよー
でもさすがにこれはちゃんと書きたいなと思ったので書きます。我が店初のライブイベント、
「こちら、クレイジー・クルエル・ワールド」
すごく素敵な画だけど、濃いな…。
まず経緯をから説明しますと、新規開店直後に色々な友人知人のミュージシャン達にライブのお願いをしました(ちなみに店長もミュージシャンではありますが裏側でコソコソやる系です)。そしてその中で真っ先に手を上げてくれたのが、元々自分達が関わっていた商店街のイベントで過去にお世話になった横浜在住の魔王こと「喉」さんでした。パフォーマンス、企画力、音楽への姿勢、すべてにおいて私が個人的に敬愛するミュージシャンの一人です。ちなみに上の画像も喉さんが作ってます。すげーな。もちろん全幅の信頼を寄せる事のできる方なので、全面的に企画をお願いしました。
色々端折りますがアレコレ連絡と相談を重ねていざ当日。
ライブ前日から店の上の階を楽屋兼倉庫として借りたので、出演者はそちらでリハまでお待ちいただく感じです。自分は16時頃に来て、まずそっちにご挨拶に行ったら部屋の中で紫の髪で白塗りの人が一人佇んでいたのでどっひゃーってなりました。しかしご挨拶したらものっすごく腰の低い方で、見た目とのギャップでなんだか異空間に迷い込んだような錯覚をおぼえました。ちなみに聞くとどうも同郷の方らしいです。マジか。
その後続々と出演者の皆様が来られて、そして定刻通りにリハを開始したのですが、繰り出される曲がひたすら強烈で、タイトルのごとく炎上、もとい出火御免なイベントになる事を確信しました。
そして19時ライブスタート。店内ギュウギュウです。
一発目は喉さんとdodokoさんによる、ある意味今夜のための曲「となりのおうちはよく燃える」から景気良く始まりました。最初からクライマックスです。
お二人の開会の儀も終わってトップバッターのminor popsさん!しかし名刺には「せんちゃん」と書いてあったしどっちの表記がいいのかな…。
それはともかく、黎明期のV系のような風貌から繰り出されるフォーク調の曲とフリップ芸という、斬新を超えて異世界まで行ってしまったスタイルで爆笑を掻っ攫っていく様は痛快でしたが、すごくアットホームな温かい空間を作り上げていました。しかし冷静に考えるとそれかなり異様な光景です。最高でした。そしてもう一度言いますが同郷の方です。
二組目は大谷健児さん!
正直な所、リハの段階でこれは良くも悪くも凄い事になると思っていました。ある意味ライブの空気はこの方が左右すると言っても過言ではないほどのパフォーマンス…、まあざっくり言うと下ネタまみれなんですが。
爽やかな見た目の印象を完全に裏切るド下ネタの数々をアカペラで歌っていくスタイル。しかしネタだけでなくMCも飾らず己のすべてをさらけ出していく姿勢は紛れもなくアーティストでした。あの若さでバッチリこの空間を支配していた大谷さんは末恐ろしいパフォーマーになるのではないでしょうか。
そんなやり辛さMAXの状況からの三組目、でんし人さん!
大谷さんのパフォーマンス時にずっと頭を抱えていたでんし人さんですが、ワンフレーズ歌っただけで一気に世界を塗り替えてしまうほどの圧倒的な曲を披露してくれます。
今まで友人とかに誘われてライブハウスに行ったりしても、そこで聴いた曲が「刺さった」事は無かったんですが、前に別の所ででんし人さんのライブを観て初めて「やられた!」と思いました。個人的には本当に惚れ込んでいます。特に奇をてらう訳でもなく、面白いトークをする訳でもなく、ただステージの上で曲を演奏する、ただそれだけで一気に引きずり込まれる。これが本物の天才だと思いました。この日も最高のステージでした。感謝。
あと私的な話で申し訳ないですが、でんし人さんとは今後音源を作っていく予定なので、興味がありましたら是非。
そして四組目、dodokoさん!
ソロでやる、これはとことん自分の思うようにできる、思うようにやれる、思うようにするべきだという事をこの方はパフォーマンスを通じてオーディエンスに提示しているように見えました。歌い、踊り、リボンを回し、キーボードを弾き、刀を振り回し、徹底的に「自分」を表現していく。これはソロのミュージシャンとしてだけの話でなく、一人の人生、生き様に対しての姿勢の話です。この日もdodokoさんはそんな自らの生き様を全力でステージにぶつけていました。美しかったです。
そしていよいよトリであり本日の夜会の主催者でもある魔王、喉さんです!
軽快だが重く攻撃的なブギに、超低音ボイスを乗せて所狭しとステージを跳び回る我らが魔王。かっこいいっす陛下。
冒頭でも触れましたが、喉さんは最高のパフォーマンス力と緻密な企画力と熱いミュージシャンシップを兼ね備えた素晴らしいエンターテイナーです。そしてさらにすごいのが、ともすれば孤高の存在になってしまいかねないほどの存在感があるのに、ライブのMCやブログやSNS等地道に自らの意思の発信、受信を続け、音楽活動をインタラクティブなものにして積極的にオーディエンスと交流を取る所です。こんな時代において最早楽曲単品ではコンテンツになり得ません。しかしステージングや思想やコミュニケーションやネットやらそんな諸々をすべて音楽(もしくは個人)をフィルターとして総合的にパッケージングして一つのエンターテイメントにしてしまっている喉さんの活動はとても痛快だし意義のあるものだと思っています。そしてそれをドヤ顔で表に出さず、煙に巻いて軽やかにこの時代を駆ける喉さんは本当にかっこいい。
この日のイベントは濃縮還元200%の曲者揃いのアクトばかりで、うちの店のライブ一発目がこんな感じってのは正直読めない部分もありましたが、結果としてはすべて杞憂でした。本当に素晴らしいものになりましたし、あと単純に自分が観客として誰よりも楽しめました。このイベントに関わってくれた方々、主催の喉さん、熱いパフォーマンスを見せてくれた出演者の方々、足を運んでいただいたお客様、誠にありがとうございました。
ちなみに終演後、朝までしこたま飲んで記憶がおぼろげですありがとうございました。